私はココ7年くらいは、標高1500m前後以上の山に登山するときは、スカルパのトリオレ プロ GTXをメインで履いてきた(1回ソール交換)。
だが、どうしても毎回途中から親指と小指が靴に干渉して、痛みをこらえながらの登山が続いていた。
高い買い物だったのでずっと我慢して使っていたのだが、先日ある出来事があってから、意を決して登山靴を新調することにした。
本記事では、私が新しい登山靴としてモンベルの「アルパインクルーザー800 レザー」に決めた経緯と商品レビューについて紹介しよう!
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登山靴の悩み
最初に紹介したように、私が履いてきたスカルパ トリオレプロは、確かに堅牢で見た目もスッとしてかっこよかった。
お気に入りの靴ではあったのだが、どうみても私の足に合っているとは言い難かった。
一応某アウトドア用品店に脚を運び、実際に店員に足のサイズを測ってもらって選んだ一品だったのだが。。。もちろん使っている靴下も持参して。
親指と小指の痛み
登山開始直後の平坦に近い登りでは調子がいいのだが、トラバース気味の道斜めに落ち込んでいるような道が出てくると、まず斜面側に落ち込んでいる方の足の小指が痛みはじめる。
そして、小指をかばって歩いていると徐々に親指側も傷みだすという感じだ。
下りになるとさらにひどくなり、両足の親指も小指も両方痛くなる。
特に小指側がひどい。
なので、コースタイムが長い登山では、肉体的な疲労よりも足の痛みと戦っている方がつらい感じなのだ!
また、痛みを和らげようとして足の置き場を選んでいると、不用意に足をひねりそうになることが何度もあり、安全面でもよろしくない状態であった。
暫定対策(大した効果なし)
毎回痛くなる箇所は決まっているので、当然それなりの対策はしてきた。
だが、いずれも大した効果は見られなかった。
ただし、多少なりとも痛みの発症が遅れる感覚もあったので、テーピングだけは毎回4カ所とも貼っていた。
ついに両足の爪が剥がれる
2024年9月に、朝日連峰の最高峰で日本百名山でもある「大朝日岳(1871m)」に登った時に、不覚にもテーピングを貼るのを忘れて登山を開始してしまった。
登り始めてからすぐに気づいたのだが、どうせ大した効果がないのでそのまま登り続けた。
この日もいつも通りのパターンでだんだんと親指と小指が痛んできた。
なんとなく、下山時は小指がいつもよりも痛い感覚があった。
ただ、下山直後に靴をぬぐまでは、
まあ、9時間くらい歩いているのでいつもよりも痛いのはしょうがないだろう!
と思っていた。
だが、靴を脱ぐと、なんと両足の小指の爪が見事に剥がれていた!
下山後、一週間経った後の写真が下記だ。
登山靴を新調することを決意!
さすがに今回の一件で、登山靴を新調することを決意した。
だが、いざ登山靴を買うといっても、どのメーカーのどのタイプを買うか悩ましいところだ。
そこで、まずは私が登山靴に求める条件をあげてみた。
登山靴に求める条件
登山靴に求める条件
- テント泊縦走に耐えるシッカリした造りのハイカットタイプ
- ワンタッチアイゼン用コバは不要
- 幅広タイプ
- レザータイプ
①ハイカットタイプ
登山靴には用途に応じて下記のように大きく3つのタイプに分かれる。
個人の好みもあるので、必ずしもこの限りである必要はないのだが、一般的にはこの表の基準で選ぶと間違いないだろう。
私の場合は、テント泊縦走で比較的重い荷物を担ぐので、ハイカットになるだろう。
とは言え、登山に関しては30年以上のベテランの域に入るので、足さばきは悪くないと思っており、ミドルカットを選んで軽快に歩くという選択肢もある。
だが、如何せん筋肉の鎧で覆われた体重は80㎏以上と重く、また50オーバーの中高年でもあるので、不注意で足をひねってしまうとダメージが大きいのが気がかりだ。
しかもいつもソロ登山なので、他人に迷惑をかけるようなことはしたくない。何としても自力で下山する必要があるのだ!
これまでも下山中に足をひねり、ハイカットの登山靴で助けられた記憶があるので、今回も迷うことなくハイカットを選択した。
②アイゼン用コバは不要
以前は雪山にも行っていたが、今後のメインは無雪期の登山を考えている。
残雪期はアイゼンをつけて行きたくなるかもだが、その場合は今もっているトリオレプロを我慢して使えばよい(トリオレプロはコバがついており、積雪期や残雪期でも対応可能だ)。
なので、今回はセミアイゼンを装着するためのコバは不要とした。
まあ、どっちみち、私が持っているアイゼンは紐で縛る古いタイプなので、コバは使わないのだが。
③幅広タイプ
今回の靴選びでは、ココが最も重要なポイントだ!
サイズ選びの詳細は別記事(後半の購入レビューで紹介している関連記事)で紹介しているが、今回の件を受けて、はじめて自分で詳細に足のサイズを測定してみた。
その結果、私の足は間違いなく4E(いわゆる幅広)であることを認識した!
幅広の4Eなのに、靴先が細身のスカルパ トリオレ プロGTXを選択したのがそもそもの間違いだったのかもしれない。私の足を測定した某アウトドア用品店の店員はシロウトだったのだろうか?
④レザータイプ
私はトリオレ プロを履く前、大学山岳部時代からずっとレザーの重登山靴を修理しながら履き続けていた。
文字通りの重登山靴で、片足で1.2~1.3㎏くらいはあったのではないかと思う。
昔はこのくらいが普通だったのだ。
重いという欠点はあるが、独特の質感と自分の足になじむ感覚が気に入っていた。
さすがにヘタってきたので、トリオレ プロに変えたのだった。
トリオレプロに変えた直後は、その軽快さとオシャレな感じがうれしくて、とても気に入っていたのだが、次第に足の痛み以外にもなんとなく物足りなさを感じ始めていた。
やっぱり、登山靴は使うごとに自分の足になじみ、保革クリームやMAXをていねいに塗り込みながら使い続けるレザー製品の方が愛着が湧いて良いのだ!
登山靴に限らず、私は物持ちが良いので、、、メンテナンスしながら長く使い続ける方が性に合っている。
ということで、今回は再びレザー(ヌバック)を選択することにした。
幅広4Eタイプなら日本ブランド一択!
幅広タイプを選ぶのであれば、日本人の足型をベースにしている日本ブランドがいいだろう。
ドイツブランドのローバーも、最近は日本人向けの幅広タイプがあるのは知っているが、3Eなのか4Eなのかがイマイチ不明。
日本ブランドで確実に4E幅広といえば「モンベル」か「シリオ」にほぼ絞られると言っていい。
どちらのメーカーも4Eサイズのレザータイプがラインナップにあるので、ココは少々悩んだ。
選んだのはモンベル【アルパインクルーザー800】
悩んだ末に選んだのは、モンベルの「アルパインクルーザー800 レザー(ワイド)」だった。
ということで、モンベルの最新商品・売れ筋商品を購入するには、ほぼ以下の方法に限られる。
- 全国各地の直営店で購入する
- 公式オンラインショップで購入する
- ヒマラヤオンラインショップで購入する(種類やサイズが限られていることが多いが要チェック!)
- ふるさと納税の返礼品としてもらう(すぐに手に入れたい人には非現実的)×
- モール型ECサイトで購入する(中古や型落ち品が多く最新商品は少ない)×
この中で、③のヒマラヤオンラインショップは運が良ければ売れ筋商品がお得に購入できる可能性があるので、必ずチェックしておきたい!
もちろん私もチェックしたが、残念ながら型番がなかった、、、ので、今回は公式オンラインショップで購入した。
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決め手はモンベル独自のソール【トレイルグリッパー】
これまで登山靴のソールと言えば、イタリアのビブラムソールしか知らなかったし、私がこれまで履いてきた登山靴のソールは低山用も含めて全てビブラムソールだった。
正直、ビブラムソールを使っていない登山靴は、子供用かなんちゃってハイキング用くらいに思っていた!
だが、日本の登山用品メーカーを代表するモンベルは、なんと自社ソール(トレイルグリッパー)を使っていたのだ!
長年登山をやっているが、恥ずかしながらこれまでモンベルの登山靴は一ミリも考えたことも見たこともなかったので、、、ビブラムソール以外を使っていることなど全く知らなかった!
しかも、色々調査してみると、このトレイルグリッパーは、平時のグリップ力もさることながら、濡れた状態ではビブラムソールよりも圧倒的にグリップ力がいいという。
実は、私もトリオレプロで濡れた岩場や木道(会津駒ケ岳や尾瀬等高層湿原がある山)を歩いているときに、どうも滑りやすいと感じていた。
実際に使っている方の口コミを見ても、どうやら間違いなく効果はありそうだ!
というわけで、モンベルのトレイルグリッパーに大いなる興味を持ったというわけだ!
【アルパインクルーザー800 レザー】の位置づけ
ところで、モンベルにも様々な登山靴のラインナップがある。
アルパインクルーザー800 レザーの位置づけがどこにあるのか?
モンベルからとてもわかり易い一覧表が示されているので下記に紹介しよう。
黄色で囲ったところがアルパインクルーザー800 レザーの位置づけだ。
まさに、私の目的にピッタリの位置づけということになる。
モンベル【アルパインクルーザー800】購入レビュー
ここからは、アルパインクルーザー800 レザーの購入初期レビューを紹介しよう。
私の住んでいる地域は残念ながら近くにモンベル直営店がないので、先に紹介したように公式オンラインショップから購入した。
ネットで登山靴を購入する場合はいくつかの注意点がある。ネットでの購入を検討してる方はぜひこの記事も確認してほしい!
靴の形状を比較
まずは靴の形状をトリオレ プロと比較してみよう。
尚、色はブラックとダークブラウンがあり、チョット迷ったが、どうせワックスを塗っていくと黒ずんでくるし、一般的にはブラウンの方が人気がありそうなので、あえてブラックを選んだ!
実物を見ると、ブラックは引き締まった感じがあって選択して大満足だ!
二つを並べてみると一目瞭然で、明らかにアルパインクルーザー800の方がつま先側の幅が広い。
なるほど、これが4Eワイドタイプの違いか!
ソールグリップパターンを比較
次にグリップパターンを比較してみた。
上の写真の右がモンベルのトレイルグリッパーだ。
左側のトリオレプロ(だいぶヘタってきているが)とパターンが違うのがわかる。
実践でどれくらい違うかは後日確認登山をしてみる予定だ。
この写真を見て思ったのだが、トリオレプロとアルパインクルーザーでは明らかに靴のアーチ形状も違うことがわかる。トリオレプロは明らかにアーチがきつく、下山時にいかにも小指側に力がかかりそうにも見える?
インソールを交換
早速、歩いてみたい、、、ところではあるが、その前にもともと入っているオリジナルのインソール(中敷き)を交換した方が良い。
今まで履いていたトリオレプロもそうだったのだが、モンベルのアルパインクルーザーもオリジナルのインソールは、発泡スチロール製のペラペラだった。
私はこれを「スーパーフィート」のグリーン(サポート力Maxタイプ)のインソールに交換して使っていた。
スーパーフィートは、登山者に限らず足裏を酷使するアスリートの中ではかなり有名な高性能インソールである。
色違いでアーチの高さとボリューム(肉厚)が分類されているので、好みに応じて選択することができる。
スーパーフィートに交換すると、間違いなく足裏の衝撃や土ふまずあたりの疲労が軽減されるので、登山で足の裏が気になっている方は試してみるといいだろう。
なので、これまでトリオレプロで使っていたスーパーフィートをアルパインクルーザーの中に入れ替えて、履き心地を確かめることにした!
【アルパインクルーザー800】の履き心地を確認
いつも使っている中厚手の登山用靴下を履いて、とりあえず家の周りをウロウロと歩いてみることにした。
まず、歩く前に、、、靴に足を入れた瞬間に足先の空間にこれまでとは大きな違いがあることが感じられた。
全く小指と親指が靴に当たっている感じがないのだ。
この瞬間に、これは自分の足にベストフィットだと確信した!
この後、家の近くにちょうどよい坂道があるので、登ったり下ったりしてみた。
違いは明らかだった!
アルパインクルーザーは下りでも全く小指と親指が靴に当たる感覚がない。幅広タイプはこんなにも自分の足にフィットしているとは、想像以上だった!
また、レザーとはいえ、トリオレプロが片足900g程度であるのに対し、アルパインクルーザーは640g程度と250g以上も軽いので、足さばきも軽やかになった気がした。
追記:約2週間後、日光白根山にて実践フィールドチェックを実施。想定以上に快適な靴であることを確認した!興味のある方は是非下記の記事も!
最後に
7年程前に、某アウトドア用品店で足のサイズを測定してもらった時に、幅広であるようなことは一切言われなかったので、そもそも自分の足が幅広である認識がなかった。
なので、今回4Eの幅広サイズに靴を買い替えることで、本当に今抱えている問題が解決されるのか一抹の不安があったのだが、その不安は完全に解消された!
早速防水ジェルや保革クリーム等のメンテナンス類も準備して、次回の登山で早速実践投入したいと思う。
私と同じように、登山で親指や小指の悩みを抱えている登山愛好家の方は、まずは自分の足のサイズを正確に測定しみてよう。
もしも幅広3E+や4Eであれば、すぐにでも幅広サイズの登山靴に交換することを強くおすすめする!
これまでよりももっと楽しく快適な登山ができるはずだ!
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