ポータブル電源の使用レビュー!容量と使用可能時間の妥当性についても計算してみた!

ソーラーパネル発電
ポータブル電源って電池が何本くらい入っているんだろう?
記事内に広告が含まれています。

 これまでソーラーパネル(レノジー100W×2枚)、ポータブル電源(EcoFlow DELTA2)+関連ケーブルの購入から、発電システムの構築までの経緯についてリポートしてきた。

 今回はEcoFlow DELTA2を使ってみた使用感のレビューと、メーカー仕様書から読み取れるチョット面白い?マニアックな容量計算について触れたいと思う。

 電気の知識がない方にもわかり易く説明する!

筋肉おやじ
筋肉おやじ

ちなみに、筆者は2023年に早期退職して、今は好きなことに没頭しているが、一時期この業界の中にいた人であり、、、チョットばかり事情に詳しい。なので、少しでも参考になればと思い、私の頭の中にある知識や経験を放出させてもらった。。。

「EcoFlow DELTA 2」 充電容量の妥当性

 ソーラーパネル発電システムを構築したのはいいが、寒空のため、肝心かなめの太陽がなかなか顔を出してくれず、、、なかなか発電→充電する機会がなかったが、ようやく先日安定した晴れ間があり、一気に5時間くらいでフル充電に到達した。

発電中のソーラーパネル
ようやく安定して半日くらい晴れたので、急いで充電開始!12月なので、少し角度を高めに調整した
EcoFlowデルタ2
いきなり150Wオーバー。さすが100W×2パラ接続。冬でも十分に発電できることがわかった

 早速、この時の発電量と充電時間が妥当なのかについて少々考えてみた。。。

充電量と発電量 妥当性検証

チョットだけ寄り道してみよう!

・充電前のポータブル電源の容量:約25%(ちなみに購入時は30%だった)
・フル充電時の仕様書容量:1024Wh

ということは、充電前のポータブル電源の容量:1024Wh × 0.25 ≒ 256Wh ってことだ。

つまり、1024 - 256 = 768Whを5時間くらいで充電したことになる。

 これは768Wh ÷ 5h ≒ 154W程度の出力が維持されれば5時間でフル充電1024Whに到達することを意味する。

 この日の出力はだいたい150W(100W×2枚並列)をウロウロしていたので、まあ、妥当だってことが確認できた。

筋肉おやじ
筋肉おやじ

よし!

「EcoFlow DELTA 2」って何本電池が入っているの?

 調子がでてきたので、このEcoFlow DELTA2の仕様書からわかることをマニアックな方のために、チョットだけ説明しよう。

 へーそんなことがわかんるんだくらいに読んでもらえれば。。。

もう少し寄り道してみよう!
 
 EcoFlow DELTA2はリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが使用されている。おそらくというかほぼ間違いなく電池サイズは、世の中に一般に出回っている18650(Φ18㎜×高さ65㎜)サイズだろう。生産性が高く低コストで製造できるからだ。

 このことから、電池1本の仕様について以下のことが想像できる

・電池定格容量(電流(クーロン量)換算):2Ah(リン酸鉄で汎用品だとこのくらいだろう)
・電池定格電圧 (平均) :3.2V(リン酸鉄は通常のリチウムイオン3.6Vよりも電圧が低い)
・電池定格容量(電力換算):6.4Wh(2Ah × 3.2V = 6.4Wh 補足:A × V = W)


※クーロンは電荷の単位だがココでは小難しいことは無視しよう

ちなみに、EcoFlow DELTA2の仕様書にはバッテリー容量:1024Wh 51.2Vとある

 ということは
・・・

 ・1024 ÷ 6.4 = 160 → 160本の18650サイズ電池が使用されている!(だろう)
 ・51.2V ÷ 3.2V = 16 → 16本が直列につながっている(だろう)
 ・上の情報から160 ÷ 16 = 10 → 10本が並列につながっている(だろう)


 ということになる。いわゆる16S10P仕様だろうということが読み取れる。

筋肉おやじ
筋肉おやじ

なるほど、チョットすっきり!

使用可能時間の妥当性をチェック

 本題にもどろう。

 充電状態がほぼ100%になったので、早速使ってみることにした。

 ちなみに、今回は実験のために充電を続けたが、100%近くになったら充電は止めた方がいい。

 もっと言えば、90%くらいで止めた方がいい。

 その方が電池に優しいのだ。

 これはEcoFlow DELTA2に限らずリチウムイオン電池を使っているどの機器にも言える。

 スマホの充電なんかも同じ理屈なので、覚えておくといいだろう。

電子レンジで検証

 実験は、我が家で最も使用頻度が高くなると思われる電子レンジを使用した。

 ちなみに、我が家の電子レンジは定格高周波出力は1000W、定格消費電力は1420Wとあった。

 なので、ポータブル電源側にも最大で1420Wの負荷がかかりそうだ。

 EcoFlow DELTA2の消費電力は定格で1500W(瞬間は3000WOK)なので、問題ないだろう。

一般的な家庭用電子レンジで実用実験してみた
一般的な家庭用電子レンジで実用実験してみた
電子レンジの出力
電子レンジの出力

 1回あたり何分間で繰り返し何回使えたか、表にまとめてみた。

 尚、より実用的な実験にしたくて、普通に朝昼晩の料理を食べるために温めたので、使用時間はバラバラとなっている。また回数が多くなったので8~16回目はまとめて記載した。

回数使用時間/秒表示出力/W残容量/%
開始前99
801240 -125095
21001240 -125091
31101240 -125086
41201240 -125080
5601240 -125076
61801240 -125069
71201240 -125064
8 – 16合計7301240 -125030
我が家の電子レンジで使った回数。実使用で丸2日間使うことができた
ポータブル電源
実験開始前。充電量99%
ポータブル電源
電子レンジの近くに配置して実験開始
ポータブル電源
我が家の電子レンジだとおおよそ1245W前後の出力値が表示されていた。
ポータブル電源
今回は30%容量で実験終了とした

理論的にどうなのか?

また寄り道してみよう!
 
 今回の使用量を理論的に考えると、、、
Total使用時間:1500秒 = 0.5時間
平均出力:1245W

なので、電子レンジで使ったTotal容量は、、、
 1245W × 0.5h = 622.5Wh 

これは容量99% → 30%までの容量なので定格容量の69%分ということになる。
EcoFlow DELTA2の定格容量は1024Whなので、69%というと、、、
 1024Wh × 0.69 ≒ 707Wh 

筋肉おやじ
筋肉おやじ

ちょっと微妙に計算が合わないが、、、まあ合わない分は熱となって消費されたのであろう。。。

「EcoFlow DELTA 2」の使用感&注意点

 それにしても、私がポータブル電源の導入を意識し始めた2015年頃(我ながらずいぶんと温めていたものだ・・・)は、1000W出力クラスの電子レンジを動かすなど考えられなかった。

 こうして家庭用のでかい電子レンジを軽々と動かすこと自体がすばらしいの一言だ。

 今回の使用感だと、4人家族で丸1日~2日くらい分の使用になるだろうから、毎日か1日おきに充電を繰り返せばちょうどいいくらいのサイクルになる。

 そういう意味において、1024Whのポータブル電源と100Wのソーラーパネル2枚の組み合わせは、家庭用途としても絶妙な容量であるように思える。

 一つだけ(気になるほどではないが)、さすがに電子レンジレベルの高負荷だと使用時のファンの音がそれなりにする。

 過去のモデルや他社モデルがどの程度か?なので比較はできないが。

 まあ、電子レンジのブーン音の方が大きいくらいなので、気になるほどではないだろう!

 今後は愛車ハイエースにも搭載を考えているが、車中泊ならば2泊くらいは余裕で対応できる容量であろう。

 ましてソーラーで発電しながらだと電気枯渇の心配はほぼなさそうだ(もちろん余計な電装系がついていない前提であるが)。

ポータブル電源の使用容量範囲について

 今回は残容量が30%に到達した時点で実験を終了した。

 今後はできるだけ25%以下にならない範囲で使用することを考えている。

 これもリチウムイオン電池に優しい使い方だからだ。

 どの仕様書にも書いているが、リチウムイオン電池は過放電にめっぽう弱い!

 長期で使わないときは50%くらい充電してから保管しておいた方がいいだろう。

筋肉おやじ
筋肉おやじ

EcoFlow DELTA2はスマホと連携することができて、どの残量で使用を止めるとか細かい設定ができるようになっている。他にもいろいろコントロールできるのでとても便利だ。

EcoFlowとスマホ連携
充電と放電を止める容量を設定できる。これは電池に優しい使い方を気にしている人にはとてもありがたい機能だ
EcoFlowとスマホ連携
その他設定も盛りだくさん。

 ちなみに、充電についても通常は90%以下に抑えておいた方がいいだろう。

急速充電についてのアドバイス

 充電について、気になることをもう一つ。

 EcoFlow DELTA2や他社も含めて、最近はポータブル電源の急速充電を売りにしているメーカーが多い。

 ほとんどのユーザーが求めているので当然だろう。

 確かに急いで使用したいときにすぐにフル充電まで短時間で充電できるのはとても便利なのだが、、、このリチウムイオンってやつは、原理的に急速充電が苦手であることを覚えておこう!

 各メーカーは充電制御も含めて、少しでも早く充電できるように工夫しているのだが、苦手なものを得意にするのはなかなか至難の業であろう。

 ※例えば数学が苦手な人に数学者にさせようとするなどは、ほぼありえない!

 EcoFlow DELTA2を購入する前は、どうせAC充電は使わないということで、判断のポイントから外していたのであるが、なんとEcoFlow DELTA2は、スマホのカスタム設定で充電条件も設定できるようになっていた(下写真)!

EcoFlowとスマホ連携
AC充電でも低速充電設定もできる。GOOD!

 これは電池をよく理解している人が開発にかかわっていると想像する!※

 私はセッカチな一般ピーポーが喜ぶ急速充電仕様(入力1200W)から早速低速充電設定(500W)に切り替えた!

 ※EcoFlowは実際にバッテリー開発経験のあるエンジニアが多く集まっている会社である

筋肉おやじ
筋肉おやじ

と言っても、そもそも電気の自給が目的であり、ソーラーパネルからのゆるやかな充電(100Wパネル×2枚=200W Max.)しか考えていないので、、、緊急時以外AC充電を使用する予定はないのだが。。。

最後に

 今回はポータブル電源を使ってみた率直な所感をレビューした。

 目論見通り、1000Wh近辺の高容量かつ1500W以上の高出力タイプを選んで大正解であった。

 家庭用電子レンジも全く問題なく動くのはすばらしい!

 また、一般的にはポータブル電源は容量が大きいほどいいとはよく言われているが、、、ソーラーパネルからの発電→充電をメインに考えている方は、パネル発電量とのバランスをよく考えた方がいいだろう。

 私のようにソーラーパネル100W×2枚だと、例えば2000Whクラスだと明らかに発電量と充電量のバランスが悪く、オーバースペックだ。

 ポータブル電源の購入を考えているが、どの容量を選ぶべきか迷っている方は、どのような使い方を想定しているかを今一度よく考えた上で購入するのがいいだろう。

筋肉おやじ
筋肉おやじ

ところで、、、本格的な半オフグリッド生活を目論んでいて、資金もやる気もMaxの方はもう一段上のシステムを組む必要がある。このような方向けにも記事を書いているので、興味のある方はこちらも!

PVアクセスランキング にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました