レザー(革)登山靴を購入して最初にやるべきことは?新品時の手入れが超重要!

登山
防水処理を施したヌバックレザーの登山靴は見ているだけで頼もしい限りだ!
記事内に広告が含まれています。

 登山靴を購入したら、ついうれしくてすぐに登山に行きたくなるかもしれない。

 でもちょっと待ってほしい。

 登山靴、特に天然レザー(革)の登山靴は購入直後の未使用状態で、最初の手入れを行うか否かで後の性能・ライフに大きな影響を及ぼすのだ!

 本記事では、新品のレザー登山靴を購入した筆者が最初に行った手入れについて詳細に紹介しよう。

 これからレザー登山靴の購入を考えている方は是非参考にしていただきたい!

レザー登山靴の魅力

 私は直近履いていた登山靴「スカルパトリオレプロGTX」(一部スエードレザー+ナイロン)から新しく買い替えるにあたり、あえてモンベルのヌバックレザー仕様を選んだ。

 詳細は下記の参考記事にゆだねるが、山岳部時代からずっと使っていたあの「レザー独特の質感」「手間のかかる手入れ自体」が懐かしくてたまらなくなったというのも理由の一つである。

レザー登山靴の種類

 現在登山靴で使用されているレザーには主に3つの種類がある。

  • 合成タイプ
  • スエードタイプ
  • ヌバックタイプ

①合成タイプ

一般にポリウレタンやポリ塩化ビニルを原材料にして作られている。いずれもよく聞く材料であることから想像できるように、材料自体は安価である。ゆえに、登山靴も比較的安価であるが、最近は本革に近しい高性能なものもある。カラフルなデザインや、比較的高い防水性が最初から備わっているのが特徴だ。

②スエードタイプ

主に豚革の裏面を磨いて起毛させ、柔らかい質感に仕上げている。起毛が長く、革は薄くなりがち。そのままでは汚れやすく水にも弱いため、必ず防水処理が必要。

③ヌバックタイプ

主に牛革の表面を磨いて起毛させ、柔らかい質感に仕上げている。起毛の長さはスエードよりも短めで、革はスエードよりも厚めにできるのが特徴。なので、レザータイプの高価格帯の登山靴ではほぼヌバックレザーが使われている。こちらもそのままでは汚れやすく水にも弱いため、必ず防水処理が必要。尚、きちんと手入れをすれば10年単位で使い続けることができる耐久性がある。

筋肉おやじ
筋肉おやじ

本格的なレザー登山靴の多くはヌバックタイプなので、本記事ではレザー=ヌバックレザーと言う前提で、以降の記事を展開していく!

新品を購入したらまず手入れをしよう!

 レザーの登山靴を購入したら、まずは初回の手入れ(防水処理・保革クリーム塗布)をしておこう。

 また、手入れをしたあと数日間は、靴になじませる期間(ねかせ)として、風通しの良い日陰に静置させておくのが良い。

新品時の手入れが超重要

 すでに紹介したように、レザーはそのままでは耐水性が弱く傷にも弱い。

 靴にとっては最も無防備な状態なのだ。

 この状態でガッツリ泥まみれになったり、岩角などにぶつかって傷が付いたりすると、その後しっかりクリーニングを行っても、完全に元に戻ることはない。

筋肉おやじ
筋肉おやじ

だから、購入したら実践使用する前に手入れが必要なのだ!

新品登山靴の手入れ方法

 では、実際に新品のレザー登山靴の手入れ方法を見ていこう。

 具体的な手入れの流れは以下の通りである。

新品レザー登山靴の手入れ手順

  1. 靴ひもをほどく
  2. 防水処理をする
  3. 保革材を塗る
  4. 風通しの良い日陰で乾燥
  5. 数日後③と④を繰り返して完成(この工程は1回目でしっかり仕上がっていれば省略可)

①靴ひもをほどく

 靴ひもがあると後の作業に支障をきたすので、まずほどいておこう

②防水処理をする

 よく見ると肉眼でもわかるのだが、人間の皮膚の毛穴と同じように、ヌバックレザーにも無数の穴があいている。

 せっかくの機会なので、購入したモンベルの「アルパインクルーザー800レザー」のアッパー部分の表面を拡大して見てみた。

筋肉おやじ
筋肉おやじ

未処理の新品の時しか見ることができない貴重な一枚だ!

アッパー部分を拡大してみた。やはり無数の穴ぼこがあいているのがよくわかる!ココに汚れが入り込むのだ!

 写真を見てお分かりのように、無数の穴ぼこがあいている。

 登山中に土や泥水が付着すると、この穴ぼこの中に入り込むのだ。

 しかも、一度細かい穴の中に入り込んでしまうと、後でブラシをかけても全ての汚れを取りきることはとうていできっこない。

 この汚れ残留物が、徐々に革を劣化させていくのだ!

筋肉おやじ
筋肉おやじ

だがら新品無垢なうちに、この穴ぼこの中まで防水ジェルや③で紹介する防水ワックスでしっかり保護してあげよう!ちなみに、レザー製品の手入れ一式は、長年の信頼とヒマラヤ登山隊で培ってきた実績に裏付けられたドイツメーカーの【コロニル】を選んでおけばまず間違いない!

コロニルの防水ジェルを塗る。ジェルが伸びやすいように、靴全体に水をかけて濡らしておくと作業し易い!
柔らかい布でしっかりすりこんでいく
左が塗布後。右は未塗布。少し質感が変わった程度で、この防水ジェルだけではヌバックレザーの感触はそのまま残っている
最後に専用ブラシでブラッシングしてこの工程は終了!

 このジェルは思ったよりさらっとしているので、扱いやすい。

 最初が肝心なので、ガンガン塗っていこう!

③保革材を塗る

 次は革に栄養を与えるために保革材を塗っておこう。

 レザーは栄養を与えないとカサカサパリパリに干からびてしまうので、定期的に保革材を塗る必要があるのだ。

 新品にも必ず塗っておこう。

 これもコロニルの防水機能が備わった専用ワックスを選択すればいいだろう。

 オリーブオイル等の天然ワックスが革に潤いを与えてくれる!

コロニルのアクティブレザーワックスを使う!
塗る量は3~4cm程度が一般的らしいが、人それぞれで良いと思う。私は1回目は下塗りと言うことで、あえて薄塗りにした
ひたすら塗っていく。私は指で行ったが柔らかい布でもいいだろう
次にブラシをかけていくが、ブラシに霧吹きで水をかけながら行うとワックスが伸びやすい
専用ブラシでしっかり磨いてワックスを伸ばしていく
左側がワックス塗布後、右側が防水ジェル塗布後
両方の靴を磨き終えたところ。多少のムラは2回目でリカバリーすればよい
薄塗りの1回目でもそれなりに光沢がでてきた!

ヌバックレザーにワックスをかける時に心しておかなければならない点として、ワックス後はヌバック特有の毛羽立った質感が失われる点があげられる。私は気にしないどころか、むしろ早く黒光りのピカピカにしたかったので、全く問題ないが、これが嫌な方はワックスをクリームタイプではなく、スプレータイプ(下記1909の商品)にしておくのがいいだろう。

 ところで、人気のあるブラウン色のレザー登山靴の場合、このワックス行程で大きく色が変わり(濃くなる)、がっかりしたという声が多い。

 写真を見てお分かりのように、ブラック色であればワックス後にピカピカになった以外は全く色の変化は感じられない。

筋肉おやじ
筋肉おやじ

靴の色の変化が気になる方は、初めからブラックを選択するのもアリだと思う

④風通しの良い日陰で乾燥

 最後は風通しの良い日陰でしっかり乾燥させれば1回目の作業は終了だ!

 乾燥というと、直射日光にあて続けたり、ドライヤーを使いたくなるかもだが、レザー製品にはどちらもNGなので、絶対にやらないようにしよう。

 時間をかけてじっくりと乾燥させることが必要なのだ。

風がぬける階段の踊り場で乾燥。こう見るとまだムラがあるな…

⑤2回目に突入

 上の写真のように1回目でムラがあれば、2回目でしっかりとカバーしよう。

 1回目でしっかりと仕上がったと思う方は、2回目は省略してもいいだろう。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」はよくできている名言で、、、ワックスもやり過ぎは禁物だ。革が柔らかくなって登山靴に悪影響を与えるからだ。なので、登山で使用後の定期的なメンテナンスの場合はワックスは1回にとどめておこう!

 2回目も同じように③のワックス行程から繰り返す。

2回目もワックスを手で全体にまんべんなく塗りこんでいく
ひたすらブラッシング!
完璧に水を弾くようになった!

 この後、再び数日乾燥させて完成!

 以下、完成写真だ!

完成!高級感溢れる黒光り!
別角度から!
完成品のアッパーを拡大。穴ぼこまできれいにコーティングされて、質感が変わったのがおわかりだろうか?
筋肉おやじ
筋肉おやじ

何とも言えない高級感溢れる黒光りした質感!これは想像以上にカッコいい仕上がりではないか!

補足

本記事では新品の登山靴を前提にしているので、あえて言及していないが、何回か使用した後に定期的なメンテナンスとして手入れをする場合は、②防水処理と③保革塗布の間に、色あせ回復の補色ローションを塗っておくのもいいだろう。

 私も色あせが気になり出したら使う予定だ。

最後に

 朝日連峰の日本百名山「大朝日岳(1871m)」登山で小指の爪が剥がれて、登山靴の新調を決意して、速攻で使える状態までにしてきた。

 これでいつでも実践投入が可能になった。

 次の登山が楽しみである。

筋肉おやじ
筋肉おやじ

それにしても、、、車もそうであるが、趣味の対象物をメンテナンスしている時間は何とも言えない至福のひとときである!

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました