車中泊旅の途中で、いつでも冷たい飲み物が飲めるのはうれしい。
また、食材を持参したり、現地で購入したりして車内に保存しておきたいこともあるだろう。
こんな時に保冷力最強のクーラーボックスがあると心強い。
本記事では、「1~2名」+「3泊前後まで」の車中泊に最適で保冷最強のクーラーボックスを紹介しよう!
筆者は車中泊をしながら数日間の登山遠征をすることが多く、状況に応じて冷蔵庫とクーラーボックスを使い分けながら車に積み込んでいる!夏場は意外にも専らクーラーボックスだ。理由は・・・
本記事の結論
- 車中泊用クーラーボックスで保冷最強タイプは【シマノ/フィクセル/ウルトラプレミアム 30ℓ】
- 車中泊用クーラーボックスで最もおすすめな商品は【シマノ/フィクセル/リミテッド 30ℓ】
車中泊旅で冷たい食材がある喜び
最初に紹介したように、私は車中泊をしながら日本三百名山クラスの登山遠征をチョコチョコ楽しんでいる。
この際、至福の楽しみは、下山してすぐにキンキンに冷えた350mlの炭酸飲料を一気に飲み干すことである!
なので、特に夏場の登山では、下山中にコカ・コーラやサイダーのことばかり考えている。。。
ちなみに、下山後に車をしばらく運転して近くのコンビニや自販機等で購入して飲むのでは意味がない。
車での移動中に、渇望感が薄れてしまうからだ。
そもそも登山口近くにコンビニや自販機等ないし!
下山直後でないとこの楽しみを味わうことはできないのだ!
ポータブル冷蔵庫 vs. クーラーボックス
冷却状態をキープするという点では、ポータブル冷蔵庫も候補になるだろう。
高性能でそれなりに価格が高いクーラーボックスを購入するなら、絶対ポータブル冷蔵庫を買った方がいいんじゃない?氷の心配なんかしないで、いつでも冷やせるし。
この質問はもっともだ。私も最初はそう考えていた。だが冷たいものが欲しくなる夏場の車内使用時に大きな問題があるのだ!
まずは一度頭を整理するために、それぞれのメリット・デメリットを見てみよう。
ポータブル冷蔵庫のメリット
まずはポータブル冷蔵庫のメリットから。
ポータブル冷蔵庫のメリット
- 温度制御ができる
- 電源さえあれば、長時間使える
- 比較的コンパクトでスタイリッシュ
- 保冷剤が不要
- 開閉に気を使わない
①温度制御ができる
冷蔵だけではなく、冷凍したい食品もあるだろう。
また、モデルによっては保温までできるものもある。
確かにとても便利だ。
②長時間の使用
電源さえあれば、限りなく無限時間使用することができる。
食品の腐敗を気にしなくてもいいのはストレスフリーだろう。
ただし、電源残量を気にしなければいけないという別のストレスが生ずるかもしれないが。
③コンパクトでスタイリッシュ
クーラーボックスと違って、徹底的に外気から遮断する必要はないので、断熱材等を極端に厚く、強固にする必要はない。
なので、同じ容量で比較すると体積は小さくすることができるし、またスタイリッシュなデザインも可能だ!
④保冷剤が不要
これは大きなメリットだろう。
保冷剤や氷を入れる必要がないので、その分詰め込む食材を増やすことができる。
⑤開閉に気を使わない
冷蔵にしても保温にしても、開閉時に温度が大きく変化するのは経験的に理解できるだろう。
自身で冷却する能力を備えている冷蔵庫なら、開閉時に温度が下がってもすぐに設定温度まで復帰することができる。
つまり、開閉に神経質になる必要はないってことだ!連泊で車中泊をしていると、このメリットは結構大きいことに気づくはずだ!
ポータブル冷蔵庫のデメリット
次はポータブル冷蔵庫のデメリットだ。
ポータブル冷蔵庫のデメリット
- 電源が必要
- 消費電力が大きい(長時間使用)
- 稼働音がうるさい
- 夏場の車内放置は電源(電池)の劣化や安全性が気になる
- 価格が高い
①電源が必要
当然であるが、電源がないと無用の長物である。
バッテリー付属の充電式冷蔵庫かポータブル電源と組み合わせての使用が前提となる。
12Vの車内バッテリーは、バッテリー上がりの心配があるので、運転中以外は使わない方がいいだろう。
②消費電力が大きい(長時間使用)
冷蔵庫事態の消費電量は小さいが、長時間使うのでトータルとしての消費電力は大きい。
また、家庭用冷蔵庫もそうであるが、小さい冷蔵庫ほど省エネ性能が低くなる傾向がある。
極小のポータブル冷蔵庫はかなり冷却効率の悪い電化製品ということになるだろう。
③稼働音がうるさい
これは②につながるが、冷却効率が悪いがために、頻繁にコンプレッサー(この方式の場合)を稼働させる必要があるので、どうしてもブーン音は避けられない。
特に夜に稼働させる場合は気になるだろう。
④夏場は車内温度に注意が必要
この手の記事でまともにココに言及している記事がほとんど無いので、この辺に詳しい私が超絶注意喚起しておく。※①
※①筆者はサラリーマン時代の一時期、関連商品の開発にかかわったことがあるので、それなりに詳しい。
冷蔵庫本体は機械製品なので、少々温度が上がったくらいで故障することはない。
だが、問題なのはバッテリー内蔵型冷蔵庫にしろ、ポータブル電源から電気を供給する場合にしろ、どちらの場合もリチウムイオン電池が使われているという点だ。
リチウムイオン電池は、化学反応(リチウムイオンの移動と電子のやり取り)で動いている電池なので、温度環境に敏感である。
わかり易くイメージで表現すると、人間が不快に感じる温度帯はリチウムイオン電池も不快に感じると考えて良い。
つまり、温度が高いとがまんできなくて過剰に反応し、温度が低いと動きが鈍くなるのだ!
なので、夏の炎天下にリチウムイオン電池を搭載した機器を車内に放置してどこかに長時間出かける時は、十分に配慮することをおすすめする。
高温環境に長時間さらされたリチウムイオン電池は著しく性能劣化するぞ!しかも一度劣化したら元に戻ることはない!最近はやりのリン酸鉄タイプでは、多少高温環境に強くはなるものの、傾向は同じだ。
⑤価格
電源対策としてバッテリー付きの製品になると価格は高くなる。
また、バッテリー無しでも合わせてポータブル電源を購入すると、トータルとしての価格は高くなるだろう。
クーラーボックスのメリット
次にクーラーボックスのメリット・デメリットを見てみよう。
まずはメリットから。
クーラーボックスのメリット
- 電源が不要
- 用途に応じてサイズを選べる
- 車内放置に気を使わない
- 価格が安い(電源不要を考慮すると)
①電源が不要
電源が不要なので、いつでも単独で気軽に車に積み込むことができる。
②用途に応じてサイズを選べる
サイズ展開が豊富なので、用途に応じてサイズを選択すればよい。
1~2人で3泊程度までの車中泊であれば、30ℓ前後が大き過ぎず、小さ過ぎずでベストな容量だと思う。
③車内放置に気を使わない
①に関連するが、電源となるリチウムイオン電池を車内に持ち込んでいないので、夏の炎天下でも気にせず放置することができる。
特に夏場はこの心理的安心感は非常に大きい!
④価格が安い
本記事では保冷力最強の高性能クーラーボックスを対象にしているので、それなりに高価格にはなってしまうが、ポータブル冷蔵庫+電源(ポータブル電源等)に比べると、はるかに安く揃えることができる。
クーラーボックスのデメリット
次はクーラーボックスのデメリットだ。
クーラーボックスのデメリット
- 温度制御ができない
- 使用時間が限られる
- 保冷剤や氷が必要
- 開閉に気を使う
①温度制御ができない
保冷剤や氷に任せるだけなので、当然温度制御はできない。
②使用時間が限られる
使用時間は保冷剤や氷の残量次第だ。
これらはクーラーボックスの性能に大きく左右される。
③保冷剤や氷が必要
②に関連するが、使用時間は保冷剤や氷の量次第なので、これらを準備する必要がある。
少々手間だし、保冷剤は解けてしまったら無駄なスペースと重量になるだけだ。
なので、車中泊旅では保冷剤ではなく、1.5ℓ(2ℓだと尚良い)のペットボトル2本をカチカチに凍らせて準備することをおすすめする。更に、500mℓの水凍らせたペットボトルを3本程度追加する。これなら後程紹介する高性能クーラーボックスで3泊程度は余裕だ。また、解けた水はキンキンに冷えた飲料水として使えるし、料理にだって使うことができるので、一石二鳥なのだ!
④開閉に気を使う
冷蔵庫のメリットで紹介した真逆がコレだ。
できるだけ開閉回数を少なくするなど、少なからず気を使う必要があるだろう。
車中泊に最適なクーラーボックスは?
ここからはいよいよ車中泊に最適なクーラーボックスを紹介しよう。
車中泊に最適なクーラーボックスの条件
まずは、車中泊に最適なクーラーボックスの条件を見てみよう。
車中泊に最適な条件
- 容量(30ℓ前後)
- 高い保冷力(真空パネルか発泡ウレタンタイプ)
- 外寸縦方向が35cm未満
- 外寸横幅が長すぎない(≒高さ方向が低すぎない)
①容量
クーラーボックスを使って3泊程度までの車中泊をする場合、ポータブル冷蔵庫よりも5~10ℓ程度大き目の容量を選択するのがポイントだ。
なぜならば、先に紹介したように保冷用として水を入れて凍らせた1.5ℓ(2ℓ)のペットボトル2本と500mℓのペットボトルを3本程度を入れるからだ。
溶けたペットボトルの水は飲料に使うことができるが、できるだけ1.5ℓ(2ℓ)のペットボトルは、車中泊最終日まで手を付けない方が良い。その方が氷が長持ちするのだ。なので、飲料や料理用としては、500mℓのペットボトルの方を優先的に使うのがコツだ!どっちみちこっちの方が先に解けてくる!
この使い方なら、3泊でも余裕で冷却できているので、最近の車中泊、特に電源の劣化が気になる7~9月の暑い時期の車中泊登山では、ポータブル冷蔵庫ではなく、専らクーラーボックスばかり使っている!
②高い保冷力
①のように、いくら使い方の方で工夫をしても、肝心のクーラーボックスの性能が低いと十分な効果を発揮してくれない。
高い保冷力を持った高性能クーラーボックスとセットで最大限の効果を発揮することができるのだ。
クーラーボックスのタイプには下記の様にいくつかのタイプがある。
断熱タイプ | 特徴 | 保冷 | 重量 | 価格 |
---|---|---|---|---|
真空パネル | 内部が真空なので熱伝導がほぼない。6面全面~数面+発泡ウレタンタイプなどいくつかの種類がある。真空面が多いほど保冷力が高くなるが、その分価格も高くなる。 | ◎ | △ | △ |
ポリウレタン (発泡) | パネル内部に注入され、真空タイプに次いで高い断熱性能を示す。重量、価格も合わせると、最も性能バランスが取れた断熱方法と言える。 | 〇 | 〇 | 〇 |
ポリスチレン (発泡) | いわゆる発泡スチロールってやつだ。軽量ながらソコソコの断熱性能を有する。価格も一番安い。ただし、保冷力はあまり期待できない! | × | ◎ | ◎ |
本記事の目的は3泊程度の車中泊に耐える【冷却最強のクーラーボックス】の紹介なので、真空パネルとポリウレタンタイプ、もしくはこれらのハイブリットタイプに限定される。
③縦方向が35cm未満
車中泊旅でクーラーボックスを置く位置はどこだろう?
車種によって違うかもだが、おそらくどのような車種であれ、後部座席の足元に置くのが一番使い勝手が良いと思う。
後部座席足元は、前後の座席で押さえられるので、山道のカーブでもクーラーボックスが暴れることはない。また、アクセス性も良いので、最もおすすめの場所だ。私のハイエースは荷室が広く、置こうと思えばどこでも置くスペースはあるが、試行錯誤の結果、ココが定位置になっている。
さて、この位置にクーラーボックスを置く場合、縦方向のサイズが大きすぎるときちんと収まらない問題がでてくる。
私のハイエースでは、出し入れの余裕を考慮して、35cm程度までのサイズが望ましい。
おそらく多くの乗用車でもこれくらいの寸法が取り扱いやすいと思う。
なので、必然的に容量は30ℓ前後、縦方向の寸法は35cm未満のサイズを選択することになる!
④横幅が長すぎない
車中泊よりももっとニーズのあるクーラーボックスの使用用途として、釣りがある。
当然、各メーカーもニーズの多い釣り人をメインターゲットに製品開発しているだろう。
なので、中には容量が30ℓ程度でも横幅が70cmもある横長な製品もある。
デカい魚がそのままの姿で収まるようにってことだろう!
このような製品は車中泊には向かない。
まず、車内外への出し入れや、車内での移動がし難い。また、容量30ℓ前後で横長ってことは、必然的に高さ方向が低くなるってことだ。これは、食材を出し入れする時に冷気が逃げやすいってことを意味する。また、蓋の開閉がし難い(蓋が開き切らずに座席に干渉する)。車中泊用途では絶対に選んではいけない製品だ!
車中泊に最適で保冷最強のクーラーボックスは?
これまでに紹介した条件でスクリーニングにかけて、残った商品を紹介しよう!
スクリーニングしたメーカーは、真空パネルのクーラーボックスを製品化しているシマノ、ダイワ、アイリスオーヤマの3社である。
3社から出ている全製品を調査して、条件に合う6モデルを下記に紹介する。
おすすめNo.1 シマノ/フィクセル/リミテッド
シマノ/フィクセル/リミテッドは私も愛用しているので、間違いない商品だ!それを裏付けるための実保冷時間も実験・調査しているので、興味のある方は合わせてどうぞ!
おすすめNo.2 シマノ/フィクセル/ベイシス
おすすめNo.3 シマノ/フィクセル/ウルトラプレミアム
選外の3商品 ダイワ/クールラインα3/VS2500/TS2500/SU2500
ランクから外れたダイワの3商品について、理由を紹介しよう。
番外編:アイリスオーヤマ HUGELについて
アイリスオーヤマからも6面真空パネルHUGEL(ヒューゲル)という商品が発売されている。
保冷力は申し分なく(メーカー値:6.1日)、価格もお手頃なのだが、20、40、60ℓの商品ラインナップになっているのが残念なところだ。
20ℓの商品は、私が推奨している保冷用の1.5ℓ(2ℓ)ペットボトル×2本+500mℓペットボトル数本を入れる前提だと、食材を入れるスペースが足りない。
また、40ℓ商品だと、縦方向幅が41.6cmもあるので、セカンドシート足元に置くことはできない。
もう一点、HUGELは蓋が片開き設計になっているのも気になる点だ。
車中泊では運転席・助手席側からと荷室側からの両サイドからアクセスできる、両開きタイプの方が断然使い勝手が良いのだ。
せっかくシマノやダイワとは路線を変えて、釣り目線ではなく、キャンプを想定して開発された商品のようなので、車中泊愛用者にも使いやすい30ℓ前後かつ蓋両開き設計の商品をラインナップに加えてほしかった!
最後に
私の愛車ハイエースは、ソーラーパネル発電システムも搭載しており、電源に関して全く不自由に感じたことはない。
だが、本記事で紹介したように、夏場の車中泊登山では冷蔵庫は使いにくいことが意外な盲点であった。
車中泊登山では、早朝から夕方まで登山口に車を駐車しっぱなしなので、車内温度がそれなりに上がるのだ。
私のように、特に夏場の車中泊旅で長時間車を離れることを想定されている方は、ポータブル冷蔵庫よりもクーラーボックスの方が断然使い勝手がいい!
ポータブル冷蔵庫か高性能クーラーボックスか?購入を悩んでいる方は、是非本記事を参考にしていただき、失敗のない選択をしてほしい!
にほんブログ村
コメント