はじめに
長年登山を趣味としてたしなんできた方にとって、今ほど熊との遭遇が現実味を帯びていると感じる時はないだろう。
もっとも、最近は郊外の山林に近い民家や田畑周辺でも頻繁に出没しているので、もはや登山者ではなくても戦々恐々であるが。。。
一刻も早く対策したいと考えている方も多いはずだ。
そこで本記事では、主に登山目線で効果的なおすすめの熊除けスプレーをランキング形式で紹介する。
これから購入を検討されている方は是非参考にしていただきたい!
本記事の結論:
熊除けスプレーの取り扱いはAmazonサイトがメイン!楽天、yahooショッピングは取り扱っていない商品が多い!
熊除けスプレーの種類
熊除けスプレーは、唐辛子の成分(カプサイシン)を含んだ強力な刺激スプレーで、人(護身用)に使われている催涙スプレー(こちらもカプサイシンが使われていることが多い)よりもはるかに強力な成分になっている。
また、一般に熊除けスプレーと言っても目的によって大きく2種類に分けられる。
- 北海道に生息するヒグマにも対応
- 本州以南に生息するツキノワグマに対応
①北海道に生息するヒグマにも対応
もしあなたが北海道の山に登りに行くのであれば、ヒグマにも対応した超強力なスプレー(油性で簡単には落ちないタイプ)を準備することをおすすめする。
とにかくヒグマはでかい(300㎏以上の個体がうようよしている)。
並みの熊除けスプレーでは心もとないのだ!
ただし、くれぐれも取り扱いに注意しよう。万が一人や小動物に向けて発射したら重大な障害(時には生命も)が発生する可能性すらある。
②本州以南に生息するツキノワグマに対応
本州以南の登山に持参するのであれば、ヒグマ用はあきらかにオーバースペックだ。
必ずツキノワグマ用(こちらは水性タイプ)を購入しよう。

大は小を兼ねたくなる気持ちもわからないではないが、本州以南に住んでいる登山者にとって、北海道遠征に行くことはそうそうないだろう?
できるだけ噴射距離が長いタイプを選択したい!
スプレータイプであることの最大のメリットは、熊が届かない距離でこちらから攻撃できるという点である。
ただし、1m程度などあまりにも目の前だと時すでに遅しになってしまうので、できるだけ遠い距離から攻撃を開始できるタイプを選択したい!
では早速「ヒグマ対策」と「ツキノワグマ対策」に分けて、おすすめの熊除けスプレーを紹介しよう!
【ヒグマ対策】におすすめのスプレー4選+1
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
商品名 | UDAP | フロンティアーズマン | COUNTER ASSAULT CA230 | 熊一目散 | 野鍛冶屋 |
おすすめ度 | おすすめ🥇 | おすすめ🥈 | おすすめ🥉 | ||
容量/ⅿℓ | 234 | 272 | – | 280 | 270 |
重量/g | 225 | 258 | 230 | 275 | 290 |
高さ/cm | 21.8 | 24.1 | 22.0 | 20.5 | ‐ |
噴射距離(公称)/m | 9 | 12.2 | 9 | 10 | 6 |
専用ホルスター | 有り | 有り | 有り | 有り | 有り |
価格 ホルスター無 /有 /円 | 6,600/6,430 | 5,993/9,500 | 16,930/18,730 | 10,500/14,680 | ‐/6,993 |
その他 | アメリカ森林警備隊採用 | 世界No.1ブランド | 元祖熊撃退スプレー | 日本製 |
【UDAP/熊撃退】 おすすめ🥇
「UDAP/熊撃退」がおすすめNo.1である理由
メーカー紹介文を翻訳すると、どうやら実際にグリズリーに襲われた人が開発に携わっているとのこと。アメリカ森林警備隊採用も採用しており、信頼と実績は間違いない。ホルスターも付属してこの価格はお得感がある。

登山用途のヒグマ対策用スプレーの中では断トツでおすすめNo.1である。
【フロンティアーズマン/熊撃退スプレー】 おすすめ🥈
「フロンティアーズマン/熊撃退スプレー」がおすすめNo.2である理由
何と言っても各メーカーの中で最長の噴射距離12.2mは、大きな安心につながるだろう。また、使い勝手の良いホルスターも万が一の時にすぐに取り出すことができてGOOD!ただし、登山に携帯するとなると、、、少々大きさが気になるところ。

北海道で登山用途以外のアウトドア活動や平地での使用にはベストチョイスだと思う!
【COUNTER ASSAULT CA230】 おすすめNo.🥉
「COUNTER ASSAULT CA230」がおすすめNo.3である理由
数年前までは日本でネット販売している熊除けスプレーと言ったらこの商品しかなかった(Amazonのみ)。なので、価格は高いが仕方なく購入していた方も多いのではないだろうか?今は複数メーカーを比較して購入することができるので、コスパという点で魅力が薄れてきた感がある。

元祖という信頼と実績はあるものの、選択肢が増えている現在では積極的におすすめし難い商品である。
【熊一目散】 おすすめNo.4
「熊一目散」がおすすめNo.4である理由
徳島県の動物医薬品メーカー(バイオ科学)と大学教授が共同開発して特許出願中の新商品。スプレーノズルはどんな時でもとっさに対応できるユニバーサルデザイン形状を採用。性能・価格としては申し分ないが、登山用途としてはやや重いのが難点。

北海道で登山用途以外のアウトドア活動や平地での使用する分にはフロンティアーズマン(おすすめNo.2)と並んでベストチョイスだと思う!
【野鍛冶屋 熊撃退スプレー】 ランク外
「野鍛冶屋 熊撃退スプレー」の特徴
熊撃退スプレーを複数取り扱っている野鍛冶屋の商品であるが、登山用としてはかなり重い。また、この商品には付属品としてホイッスルや熊鈴がセットになっているが、登山者であれば、これらはすでに持っているので不要と感じる方が多いと思う。付属しないでその分価格を下げてほしいくらいだ。

Amazonの商品説明には多数の誤記、誤訳(おそらく自動翻訳)があり商品の信頼性にも不安を抱かせる・・・。
【ツキノワグマ対策】におすすめのスプレー2選+2
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
商品名 | POLICE MAGNUM | TW-1000 | くまいちばん | Tregar Products |
おすすめ度 | おすすめ🥇 | おすすめ🥈 | 参考紹介 | 参考紹介 |
容量/ⅿℓ | – | 40 | 140 | 60 |
重量/g | 163 | 50 | – | 70 |
高さ/cm | 17.2 | 8.4 | 20 | 13.3 |
噴射距離/m | 5.5 | 4~6 | 5 | 5~6 |
専用ホルスター | 有り | 無し | 無し | 無し |
価格 ホルスター無 /有 /円 | 6,480/9,827 | 4,050/‐ | 5,478/‐ | 1,680/‐ |
その他 | JSDPA認定 地方自治体採用 | ドイツ製 63mℓVer.も | 忌避剤 日本製 | 護身用 日本製 |
【POLICE MAGNUM】 おすすめ🥇
「POLICE MAGNUM」がおすすめNo.1である理由
登山用途としての携帯性、いざというときに確実に対応できる性能を両立した商品。実際に多くの警察・国公立機関・地方自治体で採用実績があることからも、高い信頼性は証明済。プロ界隈の護身用としても広く知られている。

最近東北地方のツキノワグマ出没事件のニュースで、対応にあたっていた警察機動隊員がみんな腰にぶら下げていたのがこの「POLICE MAGNUM」だった(私は興味があったのですぐに気づいた)。本州以南の登山に持っていくなら、「POLICE MAGNUM」がまちがいない選択である!
【TW-1000】 おすすめ🥈
「TW-1000」がおすすめNo.2である理由
熊が頻繁に出没しているとはいえ、実際に襲ってくる熊はごく少数であろう(と思いたい)。このため、ただでさえ重い荷物に熊除けスプレーを追加することに抵抗がある登山者も多いのではないだろうか?この点、超軽量・コンパクトモデルの「TW-1000」ならそんな心配は一切無用だ!ザックの腰&胸ポケットにサッと入れておけばよい!もちろん、下界生活の護身用としてもGOOD!

本記事では確実性も重視して、おすすめNo.2にしているが、何時間も登ったり下ったりする登山者向けということに限って言えば、、、軽量・コンパクト設計の「TW-1000」がイチオシかもしれない!40mℓでは少な過ぎて不安という方は63mℓタイプを選ぶのもアリだろう↓。
【くまいちばん】 参考紹介

Yahooショッピングが検索できない方はこちらへ
「くまいちばん」の特徴
熊撃退というよりは、熊が近づきにくくすること(忌避)をメイン目的に開発された商品。このため、カプサイシンの他、熊が嫌がるニオイの籾作(もみさく)が成分に配合されている。安心の自然由来成分かつ日本製である。

ツキノワグマ撃退には向いているとは言えないが、一定の抑止効果と持っていることの安心感はあるだろう。
【Tregar Products 】 参考紹介
「Tregar Products」の特徴
防犯目的(ヒト用)の護身用催涙スプレー。だが、噴射距離は5m程度あるので、熊に対しても一定の効果はあると思われる。

登山というよりも下界生活の護身用として持っておきたいタイプだ。特に女性はカバンに一つ忍ばせておくと、いざというときに役に立つだろう!
熊除けスプレー持ち運び時の注意点
熊除けスプレー等の高圧ガス/可燃性ガスを飛行機(旅客機)で輸送することはできない(もちろん手荷物預かりの場合でも)。JRも2025年4月から可燃性液体や高圧ガス、火薬類、毒物、農薬などの危険物の持ち込み規制を強化しており、NGと認識しておこう。船やフェリーも同様だ。(熊除けスプレーの場合は一部グレーな部分もあるので、念のため各社に確認してみても良いが、確認した時点でNGと言われるのがオチだろう!)。
知ってか知らずか?登山者が新幹線内で誤噴出させてしまい、警察沙汰のニュースになった事例もある。
マイカーか運送会社に陸送してもらう、もしくは北海道の場合は現地でレンタル(モンベルショップなど)するなどの対応が必要になる。
まとめ
できれば熊除けスプレー等使いたくないが、いくら大声や熊鈴で人間の存在をアピールしても、威嚇や捕食目的で積極的に近寄ってくる熊がいるのも事実(2023年に発生した「北海道大千軒岳(1072m)の大学生死亡事故」がその一例だ)。
5メートル以上の距離を保った状態で攻撃できる熊除けスプレーは、非力な「人間が考えた知恵の結晶」であり、熊と対等以上に戦うことができる大きな安心感を与えてくれるだろう。
だが、天候や風向き、極度の緊張状態によっては有効に使うことができないこともある!

一般に熊除けスプレーは最後の砦、命綱といわれているが、筆者は最後の砦やはり原始的なナイフだと思っている(少し前までは己の正拳突きだと信じてきた。だが今は考えを改めた)。
不幸にして熊除けスプレーを使い切った後は、己の力・能力をフル活用して戦うしかない!
さすがに素手では難しいので、信頼のおけるナイフも合わせて持っておきたい。
筆者が最近のマイナー山域登山で愛用している「陸刀(リクカタナ」は心強い相棒だ。興味がある方はこちらの記事も合わせてどうぞ!
いずれにしても、登山は動物たちのテリトリーにお邪魔しているという謙虚な気持ちをもって、うまく共存しながら楽しみたいものだ!

にほんブログ村