本記事を読んでいるあなたは、「墓じまい」に関心があり、どうしようか悩んでいる方であろう?
私も数年前から50代という微妙な年代になり、否が応なしに実家の「墓じまい」に関心を持たざるを得なかった。
そして私は2024年9月に遠方にある実家の「墓じまい」を完了した!
本記事は、FPである筆者が自らの「墓じまい」を実行する際に取材・調査した内容を、同じように悩んでいる方にわかり易く伝える目的で執筆したものである。
今回は墓じまい後の供養方法の一つである「海洋散骨」について、ルールの有無や注意点などを紹介しよう!
【海洋散骨】ってどんな供養?
まず「海洋散骨」とはどんな供養か?について紹介しよう。
「海洋散骨」とは、簡単に言うと読んで字のごとく
「故人の遺骨を粉末状にして海に散布すること」
である。
尚、海洋散骨自体は明確な法規制なるものは一切なく、もちろん違法ではない。
だが、厚生労働省や国土交通省がガイドラインを作成しており、また業界団体(日本海洋散骨協会)もルールブックを作成して節度ある運用を呼び掛けている(海洋散骨ルールブック)。
一部実行指針を出している地方自治体(参考例:静岡県熱海市のガイドライン)もあるので、これらをしっかりと理解し、従うことが求められる。
シロウトの私たちが、自治体への確認から海洋散骨の実行までを個人でやりきるのは、費用対効果の面から全くおすすめできない。また、自由度が高いがゆえに思わぬ軋轢の発生や落とし穴が待っている可能性が非常に高い。なので、本記事で紹介しているような実績(≒信頼)のある専門業者にお願いするのがいいだろう。
2012年から事業継続している海洋散骨専門業者。すでに1000件以上の実績があり信頼性も十分。北海道から沖縄まで全国29の海域(2024年現在)でサービスを展開中。豊富なノウハウの蓄積があるのも心強い。イチオシの海洋散骨業者と言っていいだろう!
墓じまいでよく知られているミキワの散骨サービス。ニュース(スーパーJチャンネル)等のメディアで何度も取り上げられている。信頼性も十分だ。散骨対応エリアは東京湾沖合に限られるが、関東地方で海に思い入れのあった故人や、これから海洋散骨を考えている方は、候補として押さえておきたい!
【海洋散骨】のルールは?
海洋散骨のルールとはどんなものがあるのか?
大いに気になるところであろう。
最低限知っておきたい主なルール・注意点を以下に紹介しておこう!
【海洋散骨】のメリット・デメリットは?
ココからは墓じまい後に「海洋散骨」をする場合のメリット・デメリットについて見ていこう。
【海洋散骨】のメリットは?
- 遺骨を自然に還し、あとに何も残さない
- お墓参りや維持管理から解放される
- 自然の理にかなっている
- コストを抑えることができる
【海洋散骨】のデメリットは?
- お墓参りしたくてもできない
- 遺骨がないので心のよりどころがない
- 故人の後世への伝承が希薄になる
- 親族の理解が必要
①お墓参りしたくてもできない
日本ではお盆やお彼岸など先祖をしのぶ特別な日が年に何回かあるが、このような日にお墓がないことを後悔するかもしれない。
②遺骨がないので心のよりどころがない
もしも散骨後に心変わりして遺骨を手元に取り戻したくなっても、取り戻すことはできない。
③故人の後世への伝承が希薄になる
海洋散骨にかかわった当事者は、少なくとも記憶の中に故人への思いが残っているからまだ良いだろう。
だが、その次の世代になると物理的に何も残っていない状況なので、故人の後世への伝承が希薄、もしくは完全に途絶えてしまう恐れがある。
④親族の理解が必要
一般にも認知され、数年前よりも理解が広がってきているとはいえ、まだまだ親族(とくに年配者)の中には抵抗感がある人もいるかもしれない。
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【海洋散骨】の流れ・注意点は?
ココからは墓じまい後に「海洋散骨」を選択する場合の流れや注意点を紹介しよう。
尚、墓じまいのやり方については、以下の記事で詳細を紹介しているので、合わせて参照いただきたい!
墓じまい後に「海洋散骨」を選択する時の流れ
- 家族・親族の理解を得る
- 海洋散骨場所の選定
- 信頼と実績のある海洋散骨業者の選定
- 散骨当日の詳細・段取りの決定
- お寺や霊園と調整する
①家族・親族の理解を得る
デメリットの項目で紹介した通り、まずは家族・親族関係者の理解を得ておこう。
勝手にコトを進めると、後で思わぬゴタゴタに巻き込まれる可能性がある。
②海洋散骨場所の選定
海洋散骨のルールで紹介した通り、法律がないからといってどこでも散骨して良いわけではない。
ルールや自治体の指針に従って、適切な場所を選択しよう。
③で紹介した専門の海洋散骨業者にお願いすれば、既に自治体や漁業関係者への確認・許可を得ている候補地が準備されているので、迷うことなく選択することができるだろう。
③信頼と実績のある海洋散骨業者の選定
声高らかにネットで「海洋散骨もやってます!」とうたっているからといって、何も考えずに依頼するのは危険だ!
残念ながら、業者の中にはいい加減な管理(例えば、代行散骨するフリをして不法投棄してコストを浮かす等)で、営利目的重視の悪徳業者も少なからず紛れ込んでいるのが実態なのだ。
なので、必ず
などをしっかりチェックして選択しよう!
本記事で紹介している業者であればこれらはクリアーしているので安心だ!
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④散骨当日の詳細・段取りの決定
海洋散骨には大きく分けて、3つの形式がある。
それぞれの形式で費用や事前準備の内容が変わってくるので、どの形式を選択するかしっかり検討しておこう!
- 貸切乗船散骨
- 合同乗船散骨
- 代行委託散骨
①貸切乗船散骨
一組の家族が個別で乗船して沖合で散骨・セレモニーを行う形式。
他の家族に気づかいすることなく、故人だけに思いを寄せることができる。故人にとっても家族にとってもいい形で送ることができるだろう。
②合同乗船散骨
複数の家族が合同で乗船して沖合で散骨・セレモニーを行う形式。
家族間だけの儀式感は少々薄くなるが、複数家族で費用を分担する分コストを抑えることができる。
乗船予定の家族が少なく、数名で1隻の船をチャーターするのはチョット・・・等の場合は利用するといいだろう。
③代行委託散骨
事前に遺骨を業者に預けて、業者に散骨を代行してもらう形式。
散骨風景は写真で後日送られてくる業者が多い。
コスト的には最も抑えることができるが、先に紹介したようにしっかりとした信頼のおける業者に依頼しよう!
④お寺や霊園と調整する
墓じまい後に「海洋散骨」する場合は、まずお墓から遺骨を取り出す必要がある。
当然お墓の管理者である寺院や霊園と調整が必要になるので、日程・段取り等をしっかり調整しておこう。
この際、必ず「分骨証明書」を発行してもらうことを忘れないようにしよう!
「分骨証明書」(または埋葬証明書)がないと、事件性を疑われて散骨業者から依頼を断られる可能性がある。
【海洋散骨】の費用は?
「海洋散骨」を業者に依頼した場合、どれくらいの費用がかかるのだろうか?
他の儀式同様、費用はかけようと思えば際限なくかけることができる性質のものではあるが、、、ココでは一般的な相場を紹介しておこう。
形式 | 費用 | 前提条件 |
---|---|---|
貸切乗船散骨 | 20~30万円 | 1~10人程度想定 |
合同乗船散骨 | 10~20万円 | 各家族~2名程度まで |
代行委託散骨 | 2~10万円 | 合同代行・個別代行で差あり |
「改葬」や新たにお墓を建てる場合に比べたら、「海洋散骨」はかなり低コストで行うことができると言っていいだろう。
墓じまい後に【海洋散骨】をおすすめする人は?
墓じまい後に「海洋散骨」をおすすめする人を以下に紹介してみた。
当てはまりそうな方は、「海洋散骨」を真剣に選択肢に入れてみてはどうだろうか!
最後に
今後ますます増えてくるであろう核家族化や、日本人の希薄な宗教観、狭い国土・住宅事情を考えると、墓じまい後に限らず、通常の火葬後でも、そのまま「海洋散骨」をはじめ、「手元供養」「樹木葬」を選択する人が増えてくると思われる。
この中でも「海洋散骨」は、突き詰めていくと「生物誕生の地とされる海に還してあげる(もしくは還る)壮大な自然への回帰行為」とも言えるのではないだろうか?
このように考えると、「海洋散骨」を選ぶ人は極めて自然な考えを持った人だろうし、これから選択する人はもっと増えてくるだろう。
あなたも実家の墓じまいを機に、自分自身はどこでどのように眠りたいか、元気なうちによく考えておいた方がいいだろう!
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