2024年9月、EcoFlowから「DELTA2」の後継モデル「DELTA3 Plus」がついにリリースされた!
筆者はEcoFlow「DELTA2」を所有しており、ソーラーパネルを活用して車中泊と家庭用(ほぼ電子レンジ稼働)に絶賛使用中である。
本記事では、主に車中泊使用の目線で「DELTA3 Plus」と「DELTA2」を徹底比較し、「DELTA3 Plus」は買いか?を検証してみたので紹介しよう!
新製品「DELTA3 Plus」と旧モデル「DELTA2」の購入で悩んでいる方は、是非参考にしていただきたい!
本記事の結論
車中泊目線では「DELTA3 Plus」と「DELTA2」の使い勝手に大差なし。つまり、どちらのモデルも車中泊に最適なポータブル電源と言っていいだろう。費用対効果を考慮すると、今なら「DELTA2」を購入した方がお得感有りだ!
【DELTA3 Plus】と【DELTA2】の違い
まず「DELTA3 Plus」と「DELTA2」の違いを項目ごとに分解しながら見てみよう。
サイズ・形状・外観・出力ポート位置の視点
型番 | DELTA3 Plus デルタ3プラス | DELTA2 デルタ2 |
サイズ/cm (長さ×幅×高さ) (体積/㎤) | 39.8×20.0×28.4 (22606) | 40.0×21.1×28.1 (23716) |
重量/kg | 12.5 | 12 |
出力ポート総数 | 13 | 15 |
USB Type A / Type C(W) | 2ポート/2ポート(140) | 4ポート/2ポート(100) |
ソーラー入力/W | 2ポート(500×2)=1000 | 500 |
サイズ・形状
サイズ・形状はDELTA2とほぼ同じである。
私はこの形状(パネル操作面や出力ポート面が狭く奥行きが長い)こそが車中泊に最も使いやすい形状だと考えているので、DELTA3 Plusで踏襲したのはGood!ちなみに、この形状は、主要ポータブル電源メーカーの中ではEcoFlowだけが唯一無二で採用している!
外観・出力ポート位置
パッと見で最も大きく変わったと思う点が、出力ポート配置である。
DELTA2はパネル面にUSBポート、背面にAC電源ポートが分離配置されていたが、DELTA3 Plusではパネル面にUSBポートとAC電源ポートが集中配置されている。
おそらく、キャンプ等のアウトドアや家庭用途では、「出力ポートがパネル面に集中配置している方が使いやすい」という多くのユーザーの声を受けて設計変更したものと推察される。
確かにその通りだろう!
ただ、車中泊使用目線では、、、DELTA2のままでも特に支障はないので、この配置変更はあまりご利益は無さそうだ。
また、USBType Aのポート数が4 → 2と2つ減っているが、特に不具合はないだろう。
それよりも、USB Type Cが140Wにパワーアップしている!
今後のデバイス機器対応を見据えての変更だろう。
これはGoodだ!
ソーラー入力ポート
ソーラー入力ポートはDELTA2と同じく、パネル面とは逆の背面に分離されている。
この配置は、配線取り回しが乱雑になることを防止する観点からGoodだ!
また、ソーラー入力が500W×2ポート、Total1000Wに増強されている。
これもおそらくキャンプ目線で、特に折りたたみ式のソーラーパネルを2つ使用して、早く充電することを想定しているのだと思われる。
だが、車中泊目線では500W×1ポートあれば必要かつ十分だ!
そもそも、車中泊旅では折りたたみ式のソーラーパネルの出番はほぼないと思う。
少なくとも私は「あったらいいな」という場面に出くわしたことがない。
チョットした休憩や散策の合間に、車の傍や屋根に広げておけば充電できるんじゃね?って思うかもだが、それは想像だけの世界だ。盗難されるかも?とか風で煽られないか?等心配になることしか思い浮かばないので、そんな使い方をする気分にならないのだ!また、折り畳み式のソーラーパネルは、構造や使用想定からハードフレームタイプよりもライフが短くなる可能性が極めて高い。なので、エコ目的で末長く使いたい方にはおすすめしない!
500W×2=1000Wクラスのハードタイプのソーラパネルを車の屋根に積むメリットもほぼない。
というか、普通車の屋根にはそこまでの容量は載せることができないし、仮に目いっぱいまでパネルを敷き詰めると、重量バランスが著しく低下して走行性能に影響しかねない!
たまに後付け改造のキャンピングカーが、高速道路で横転する事故があるが、あのような状態になりかねないので、やり過ぎない方がいいだろう。
性能の視点
型番 | DELTA3 Plus デルタ3プラス | DELTA2 デルタ2 |
容量/Wh | 1024 | 1024 |
増設可能容量/kWh | 5 | 3 |
電池種類 | リン酸鉄リチウムイオン | リン酸鉄リチウムイオン |
定格出力/W | 1500 | 1500 |
UPS/ms | 10 | 30 |
サイクル数(80%) | 4000回 | 3000回 |
AC充電時間(100%) | 56分> | 80分 |
音量 | 600W以下:30db> | 50db |
容量・電池・出力・UPS
容量はDELTA2と同じく1024Whで、電池も品質信頼性の高いリン酸鉄リチウムイオンが採用されているので安心だ。
また、容量の拡張が3→5kWhまで可能になっている。
家庭用途でガンガン使うとなると1024Whでは物足らなくなるだろうから、5kWhまで拡張できる自由度があるのは重宝するのは間違いない。
だが、車中泊目線では恩恵はないと言って良い!
同じく、UPSの切り替え時間が大幅に短縮(30→10ms)されているが、これも車中泊ではメリットを感じることはないだろう。
もちろん、UPSも家庭用途では素晴らしい改善であることはいうまでもない。
サイクル数
サイクル数が3000 → 4000回に改善されている。
おそらく、電池仕様そのものの改善とBMS(バッテリーマネジメントシステム)側の両方の改善により、達成できたのだと推察される。
これは車中泊目線でも非常に歓迎すべき改善で、Very Goodだ!
エコライフにも十分貢献してくれそうだ!
AC充電時間
AC充電時間が大幅に短縮(80分 → 56分>)されているが、車中泊では(家庭用途でも)、基本ソーラーパネルからの充電を想定しているので、メリットはほぼないだろう。
私は家庭用途でもポータブル電源を毎日のように使っているが、エコ目的で導入しているので、AC電源を使って充電するシーンは、これまで一度もない!
そもそもAC電源からの急速充電は、電池のサイクルライフに悪影響を与えるので、やたらと頻繁に使うべきではないと私は考えている※①。
※①筆者はサラリーマン時代の一時期、この周辺技術に関する研究・開発にかかわったことがある!
尚、EcoFlowをはじめ、主要なポータブル電源メーカーの製品は、自分で充電方法をある程度カスタマイズできるようになっている。
ポータブル電源を末永く使いたいならば、通常使用時は、ノーマル充電モードにカスタム設定しておくことを強くおすすめする!
充電時間の短縮は、数値的にも非常にわかり易いし、ほとんどのユーザーが望んでいるので、当然各メーカーも超絶アピールしてくる。だが、少なくとも本記事を読んでいただいている方は、商品選択の第一優先にしない方がいいことをお伝えしたい!
音量
ポータブル電源使用時は、どうしてもファンやインバーター起因の音が出る。
私はあまり音は気にならない(むしろ頑張ってる感があって頼もしい!)が、一般的には静音設計の方が良いに越したことはないだろう。
なので、静音設計の改善はGoodだ!
ところで、静音設計についてはJackeryがEcoFlowに先駆けてアピールポイントにしていたので、以前から私も注目していたが、ようやくEcoFlowもキャッチアップしてきたようだ。
Jackeryの静音設計(1000Plus以降)も30dbレベルだ。EcoFlowのキャッチアップにより、Jackeryの優位点が一つ消えたかも?
その他の視点
IP65・X-Guard安全機構の採用
DELTA3 PlusからバッテリーパックがIP65対応(JIS簡易規格類HP参照)となり、防水・防塵・防油耐性が大幅に向上している。
車中泊目線では、例えば悪天候時にポータブル電源を車内外へ持ち込みや持ち出す時に、気持ち安心感につながるかもだが、極軽微だろう。
IP65対応のメリットを大きく享受するのは、本格的に屋外で使用するシーンが多い、キャンプ等のアウトドア派の方だと思う。
一方で、新しくX-Guardという独自の安全機構でバッテリーを三重保護するシステムが採用されている。
ポータブル電源側から安全性・信頼性にアプローチしてくれるX-Guardの技術採用は、もちろん車中泊にもVery Goodだ!
結局「DELTA3 Plus」はどうなのか?
これまでいろいろと比較してきたが、結局「DELTA3 Plus」はどうなのか?
全体を整理するために、今一度「DELTA3 Plusで採用された変更点に絞って」、車中泊目線でメリットがあるやなしや?を一覧表にしてみた。
変更点に絞ってメリット有無を検証!
型番 | DELTA3 Plus デルタ3プラス | DELTA2 デルタ2 | DELTA3 Plus のメリット有無 (車中泊目線) |
増設可能容量/kWh | 5 | 3 | ‐ |
サイクル数(80%) | 4000回 | 3000回 | ◎ |
UPS/ms | 10 | 30 | ‐ |
ソーラー入力/W | 2ポート(500×2) | 500 | ‐ |
AC充電時間(100%) | 56分> | 80分 | ‐ |
USB Type A / Type C | 2ポート/2ポート(140W) | 4ポート/2ポート(100W) | 〇 |
音量/dB | (600W以下)30> | 50 | 〇 |
IP65 | 対応 | 非対応 | ‐ |
X-Guard (三重保護) | 対応 | 非対応 | ◎ |
検証の結果、DELTA3 Plusで様々な設計変更がなされているが、車中泊目線で見ると、大きくメリットを感じる設計変更は、「サイクル回数Up」と「X-Guardによる安全機構の採用」の二点くらいだ。
それ以外の変更については、DELTA2と変わらないか、気持ち使い勝手がよくなったくらいであることがわかる。
X-Guardの採用はとても魅力的だし、素晴らしい機構だが、EcoflowやJackery等の主要メーカーはもともと品質信頼性は一定水準以上であると考えられる。
なので、不具合が発生するとすれば、ユーザー側の使用方法や使用環境が一番影響を与えそうだ。
そうであれば、我々が十分に注意して使用すれば、大きなリスクは回避できそうな気もする。
となると、最終判断は「これらの改善にどれだけのコストがかかっているか?」と、「かかっているコストの費用対効果を我々がどう見るか?」次第だな!
【DELTA3 Plus】と【DELTA2】の価格比較!
では、実際に「DELTA3 Plus」と「DELTA2」の価格を比較してみよう!
型番 | DELTA3 Plus デルタ3プラス | DELTA2 デルタ2 |
価格/円 | 定価:149600 公式HP(参考):97240※② | 定価:143000 実勢(参考):73288※③ |
DELTA3 Plusについては記事執筆(9月上旬)現在、まだAmazon等のモール系の実勢価格は流動的なので、EcoFlowの公式HP価格(いきなり35%OFFだ!)を載せている。
DELTA2の実勢価格は、Amazon、楽天、Yahooショッピングの各モール系価格を調査して、最安値を掲示している。
尚、DELTA3 Plusの実勢価格が出そろったところで、再評価する予定だ!
いずれにしても、発売から2年以上経過しているDELTA2の方が、数万円は安く購入できることには変わりないだろうと推察する。
ということで、私の結論は、、、
数万円も価格差があるなら、わざわざDELTA3 Plusを購入するまでもない。今から購入する場合でも、「DELTA2」の購入が一番費用対効果が良いだろう!
である。
最後に
本記事では車中泊目線にフォーカスして「DELTA3 Plus」と「DELTA2」を検証した結果、トータルとしての費用対効果は、「DELTA2」の方が大きいと結論づけた。
もちろん目線を変えて、アウトドアや家庭用をメイン用途として考えると、「DELTA3 Plus」は素晴らしい改善を取り入れているので、購入の価値は十分にあることを付け加えておこう!
新製品「DELTA3 Plus」と旧モデル「DELTA2」の購入で悩んでいる方は、是非本記事を参考にして選択していただきたい。
そして、一段と充実した車中泊ライフを楽しんでいただければと思う!
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