自宅に本格的な太陽光パネルを設置して、半オフグリッド生活をめざして少しでも電気代を安くしたいと考えている方、多いのではないだろうか。
この際、太陽光パネルから発電した電気をためるための大容量蓄電池も必ずセットで必要になる。
この蓄電池は大きく【定置型(いわゆる家庭用蓄電池)】か【ポータブル電源】の二つに分かれるのだが、どっちにしたらいいのか大いに悩むところだろう?
本記事ではそのような方に、それぞれのタイプに適した用途と、メリット・デメリットを紹介しよう!
あなたの目的にあったやり方を選択していただきたい!
本記事のまとめ
- 初期投資費用は気にしない、設置場所もある、災害時や停電時は今使っている電化製品を何も気にせずにマルっとまかなえるタイプ(全負荷)がいい、という方は家庭用蓄電池がおすすめ!
- 設置場所を固定せず、電源を持ち歩きながらコンセント替わり感覚で自由に使いたい方や、太陽光パネルと合わせてDIYで設置を考えている方はポータブル電源がおすすめ!
蓄電池のタイプについて

まずは、それぞれの蓄電池の違いについて紹介しよう。
【家庭用蓄電池】の特徴
まずは家庭用蓄電池(以下蓄電池とする)の特徴を見てみよう。
家庭用蓄電池の特徴
- 移動させることができない
- 大容量タイプ
- 大きくて重い
- 初期投資(設置費用含む)が大きい
- 設置には専門業者の工事依頼が必要(電気工事士免許が必要になるのでDIYでは難しい)
- パワーコンディショナー等の周辺機器とセット
- 各種補助金がもらえる可能性がある
①移動させることができない
一度場所を決めたら基本は移動させることはできない。
というよりも、安全上簡単に動くことがないように、しっかりと土台に固定させる必要がある。
このため、設置は屋外の場合が多いが、比較的小容量タイプの場合は、屋内設置できるものもある。
②大容量タイプ
小型(5kWh)~大型(15kWh)まで様々であるが、いずれにしてもポータブルタイプよりは大容量である。
補足として・・・安全上、これまで家庭用の蓄電池容量は最大でも4800Ah未満であることが定められていた。家庭用蓄電池にはポータブル電源と同じく、リチウムイオン二次電池(定格電圧3.7V)が使用されているので、4800mAhをわかり易くWhに換算すると17.76kWhになる。だが、2024年1月の消防法令改正により、これが20kWhまでに緩和された(総務省消防庁HP)。日本政府が蓄電池を推進しているので、今後さらに緩和される可能性がある。注視しておこう!
一般家庭(戸建て)の1日当たりの消費電力が、ざっくり7~14kWh(世帯人数によって変わる)と言われているので、大型タイプの15kWhは、一般家庭丸一日分の電力をまかなうことができる量とイメージしておけばいいだろう。
③大きくて重い
重さは60㎏~250㎏程度もあり、大きさもそれなりに大きいので、①のように簡単に移動できるものではない。
④初期投資(設置費用含む)が大きい
各メーカーから様々なタイプが商品化されているが、Totalの費用はざっくり90万~300万前後と非常に高い。
多くの方はこの初期費用がネックになるだろう。
初期投資がネックで太陽光発電導入を迷っている方には、初期投資ゼロ円のリース契約「0円ソーラー」という選択肢がある(環境省が推進)。下記で紹介している「ハチドリソーラー」は、全国展開で「0円ソーラー」を展開している優良会社だ。「ハチドリソーラー」について、もっと知りたい方は下記も訪問していただければ!
「0円ソーラーのからくり」やメリット・デメリットについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
⑤設置には専門業者に工事依頼が必要
これまでの①~④の特徴から想像できる通り、DIYレベルで簡単に設置できるシロモノではない。
設置は専門の業者に工事依頼することになる。
これも初期費用が高いことの要因の一つであり、DIY派にとっては大きなデメリットであろう。

尚、第二種電気工事士の免許をもっている方であれば、600V以下の受電設備工事をすることができる。だが、次に紹介するパワコンや分電盤の設置(送電線網への接続や電気会社への申請手続き)等を鑑みると、DIYで完結させるにはかなり難易度が高いと言える。
⑥パワーコンディショナー(パワコン)とセット
太陽光パネルから発電された電気は直流電力である。
一方で私たちの使っている電気製品は交流電力だ。
なので、そのままでは電気製品を動かすことができない。
パワコンは電力を直流→交流に変換してくれる機器なので、太陽光パネルと必ずセットで必要になってくる。
また、蓄電池の場合は商用の送電線系統にも接続して使用することが前提となるので、この場合の電圧出力調整などもパワコンで行っている。
⑦補助金がもらえる可能性がある

補助金対象事業者・モデルを導入すると補助金がもらえる※①。
補助金は国、都道府県、市区町村単位等あるが、いずれも予算が尽きると順次終了するので、導入することを決めたならば、早めに申請した方がいいだろう。
尚、国が実施しているDR(Demand Response)補助金は、なんと最大60万円もらえる(一般社団法人SII HP)。
※①補助金関連はコロコロ制度が変わるので、本記事はあくまで参考情報にとどめたい。各位で最新情報をご確認いただきたい。

いずれにしても、もらい損ねないように、各位お住まいの自治体に必ず確認しよう!
東京都の補助金について
東京都にお住まいの人は下記のように手厚い補助金制度がある。

●東京都補助金補足情報
事業実施年度:令和9年度まで(助成金の交付は令和11年度まで)。ただし受付は年度毎に期限が設けられていることに注意!

東京都にお住まいの人はこのチャンスを逃さないようにしよう!
【ポータブル電源】の特徴

次にポータブル電源の特徴を見てみよう。
ポータブル電源の特徴
- 持ち運びができる
- 容量が小さい(一般に)
- 軽くて小さい(一般に)
- 安い
- だれでも設置できる(特別な工事不要)
①持ち運びができる
ポータブルの名の通り、持ち運びができる。
後で紹介するように、最近は蓄電池並みの大型モデルもあるが、このような大型モデルには必ず取っ手や車輪がついてるので、ポータブルの機能は失われてはいない。
なので、基本、設置場所を深く考える必要はない。
これは大きなメリットだと言える!
②容量が小さい?
一般に蓄電池に比べて容量が小さいことがポータブル電源の特徴だった。
あえて過去形にしたのは、最近は蓄電池に迫るような高容量製品が続々と商品化されてきているからだ!

しかも拡張バッテリーと組み合わせると、もはや小型の蓄電池をしのぐレベルの容量になるものも商品化されている!
容量面での蓄電池とポータブル電源の差別化は、もはや過去のものになったと言っていいだろう!
③軽くて小さい
これも一般には定置型に比べて軽くてサイズも小さいが、②で記述したような高容量タイプはそれなりに重くてサイズも大きい。
ただし、パワコンや分電盤が不要であることを考慮すると、蓄電池よりはずっとコンパクトと言っていいだろう。
④安い
設置工事費が不要なので、蓄電池に比べるとはるかに低価格で導入することができる。
これは大きなメリットだ。
⑤だれでも設置できる
④のように設置工事は不要なので、建築の知識や第二種電気工事士免許を持っていない人でも、太陽光パネルとMC4コネクタ等でつなぐだけのDIYで、簡単に設置することができる。
これはDIY派にとっては大きなメリットであろう。

補足として、、、だれでも設置できると記載したが、電気事業法施行令第1条では、誰でも設置できるのは30V未満の電気設備の場合と定められている!

ん?それって、100Wパネル1枚程度しか設置できない※②ってことにならない?1枚だけじゃ大した発電量にならないんだけど・・・DIYやる気なくなっちゃうなー。
※②一般的な100Wパネルの出力電圧は20V前後だ

いやいや、安心してくれ。電気工事士施行規則」第2条第1項第1号イには軽微な工事の場合はこの限りではないともある。太陽光パネルからの接続をMC4端子を使ってつなぐだけの場合は、軽微な工事に該当するので、DIYでの設置も軽微な工事の場合に該当すると考えて良い(経産省HP参照)。

よかった!なら安心だね。DIYで設置したくなってきたぞ!
いずれにしても、太陽光発電設備のDIYは、ある程度の電気設備知識があった方が絶対楽しいので、是非【第二種電気工事士】免許取得にチャレンジしてみることを強くおすすめする。
学科試験と技能試験の二つを受ける必要があるが、全体の合格率は50%前後なので、国家資格試験としてはそんなに難しくはない!

もちろん、私も2024年上期試験で一発合格した。確実かつ効率よく受かるための勉強のコツを記事にしているので、興味のある方は是非読んでいただき、一発合格を勝ち取ろう!
結局どっちがいいの?

で、結局どっちがいいのか?
再度、用途・目的別にどちらが適しているか見てみよう!
要望 | 蓄電池 | ポータブル電源 |
---|---|---|
太陽光パネルと組み合わせたい | 〇 | 〇 |
設置場所を固定したくない | × | 〇 |
設置スペースがない | × | 〇 |
初期投資をかけたくない | ×(0円ソーラーなら〇) | △ |
全ての電化製品をマルっと使いたい | 〇 | △ |
特定の電化製品だけ使いたい | 〇 | 〇 |
配線を見せたくない | 〇 | × |
200V機器を可動させたい | 〇 | △ (一部対応モデル有り!) |
余った電気を売電したい | 〇 | × |
DIYで設置したい | × | 〇 |

それぞれにメリット・デメリットがあるので、あなたの用途と目的をしっかり定めてからどっちにするか決断するのが良いだろう。決断のヒントは次項で!
【蓄電池】がおすすめの人
初期投資費用は気にしない、設置場所もある、災害時や停電時は今使っている電化製品を何も気にせずにマルっとまかなえるタイプ(全負荷)がいい、という人は蓄電池がおすすめだ!
家庭用蓄電池は配線を分電盤経由で接続していくので、家庭用コンセント・スイッチと同じ感覚で使える。
なので、設置した後は配線等が見えずにスッキリ施工できるのもメリット。
ただし、これらをDIYで設置することは難易度が高い(商用系統を触るには電気工事士資格が必要)ので、信頼のおける事業者に工事を依頼しよう!
おすすめの蓄電池システムを見つける
蓄電池と太陽光発電システムの導入を決めたら、できるだけ導入コストを下げたいだろう?
この場合、一つ一つ業者をあたるよりも、ネットで「一括見積もりサイト」を使うのが賢いやり方だ。

以前、軽自動車売却の際に、ネットで一括見積してみたが、各社でとんでもない差がついてびっくりした経験がある。面倒だと思わないで、必ず相見積もりを行うことをおすすめする!
「一括見積もりサイト」は乱立しているが、ココはかしこく選択したい!おすすめのサイトとその理由をわかり易く記事にしているので、興味のある方は是非訪問を!
すでに太陽光パネルを設置済で、卒FITに備えて蓄電池だけを探している方はこちらの記事が参考になるだろう!
【ポータブル電源】がおすすめの人(200V対応モデルが◎)
設置場所を固定せず、電源を持ち歩きながらコンセント替わり感覚で自由に使いたい方や、太陽光パネルと合わせてDIYで設置にチャレンジしたい人はポータブル電源がおすすめだ!
以前は、単相200Vタイプの大型エアコンを動かすことができないのがポータブルの最大の弱点だったが、現在では200V対応のモデルが商品化されている!

夏場に一番使いたいリビングのデカいエアコン(単相200V直結)が使えないために、仕方なく定置型にしようとしていた方にとってはとてもありがたい時代になってきた!
また、このような高容量モデルは、いわゆる卒FIT(太陽光発電設備導入後10年間の高額売電買取終了)との相性がいいのも大きな魅力だ。
つまり、これまで高価格で売電できていた電気が、余って使い道に困っている方は、今後は系統連結しない(オフグリッド)で、昼間太陽光パネルから発電された電気をポータブル電源にためておき、夜間に自家家電に給電する使い方がお得な使い方になるだろう。

昨今電気代が高騰しているので、二束三文の価格で売電するよりも、自家消費した方が圧倒的に節約になるのだ!
おすすめの200V対応高容量ポータブル電源
ココではおすすめの高容量ポータブル電源2モデルを紹介しよう。
どちらもポタ電ファンが待ちに待った?200V対応モデル(大型エアコンが動かせる)である。
EcoFlow DELTA Pro3 おすすめ🥇

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Anker Solix F3800 おすすめ🥈

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ココで紹介した2モデルも含め、200V対応モデルの詳しい比較を別記事で紹介しているので、興味のある方は合わせてどうぞ!
最後に

本記事では本気モードで節電を考えている方(半オフグリッド生活を目指している方)に向けて、高容量タイプの家庭用蓄電池の選び方について紹介した。
本記事でお分かりいただけたかと思うが、以前は移動できるできないの他、容量と出力、特に200V機器が使えるか否かが、蓄電池かポータブル電源かを選択する大きな判断ポイントだったのだが、今はこの点については差別化がなくなってきている。
いずれにしても、蓄電池・ポータブル電源のどちらを選択しても高価な投資であることには違いない。
本記事を参考にして後悔のない選択をしていただき、電気の自給生活を楽しんでいただきたい!
車中泊やアウトドア用のポータブル電源であれば、1000Whや2000Whが候補になる。最新のおすすめモデルを、その理由とともにわかり易く紹介しているので、興味のある方はあわせてどうぞ!
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